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drumachaki's novels

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そして俺はググるとポテ納豆ならまだしも、本当にコーグルトというものを作ってるやつがいて本気でビビる。

非日常は演出できることではないのかもしれない。うむ。


注)以前、三ツ矢サイダーとブルガリアヨーグルトを混ぜると「ラッシーのまがいもの」ができることを知り作ったことがあるがなんとなく不満だけが残ったことがある(作者より)。
drumachaki 5 page of はじめまして、俺たち今日も元気です
もうれつもさもさ
bookflow 2 page of しりとり
遠くから声が聞こえる。あの二人だろう。

「砕いたポテチを納豆に混ぜるとぉおお・・・ポテ納豆のできあがりでぇええい!」
「コーラにヨーグルトを混ぜるとぉおお・・・コーグルトのできあがりでぇええい!」

どうやら漫画「オーマイコンブ」に影響を受けすぎて、テキトーな創作料理に目覚めてしまったのかもしれない。チキンラーメンの真ん中にくぼみをつけて、生卵を落とし、オーブンで温めるとがっくりするようなものになったのは懐かしい思い出である。
drumachaki 4 page of はじめまして、俺たち今日も元気です
しかしこんな俺にも非日常がある。
なに?エロ本を買う時に真面目な本を上に載せてレジに持っていくのは非日常?そんなものはまだまだ平凡な日常だ。ちゃんちゃらおかしくて屁をこくわ!そもそも、そんなカモフラージュでは逆に隠し事をしているようで、さらに恥ずかしいではないか。

男なら六法全書の上にエロ本10冊載せて購入するぐらいでやっと一人前だろう。俺は六法全書と広辞苑をエロ本で挟んでこっそり勉強してることを店員にアピールし「あらやだすごひじゃないひー!」と思われる非日常を生きているのだ。


drumachaki 3 page of はじめまして、俺たち今日も元気です
秘書は間髪入れずにこういった。
「デバッグは?」
「いや、急ぎなもんだったから。摩訶摩訶」

ジョークが通じない。冷や汗がチャックをつたう。
yokomura 6 page of チャック
小さなピザが電子レンジで温めるとでかいピザになって出てくることを目の当たりにし、当時の俺は明るい未来が必ず待っていると、ピザで冷蔵庫が占領されることに怯える日々はやってこないのだと信じていた。

しかし、待っていたのはチャックが閉まらないという平凡以下の未来だった。

「お願いだ、お願いだから未来の息子のズボンのチャックだけはどうか閉められるようにしておいてくれないか」

そう心の中で祈りながら口では「デバッグデバッグデバッグ、時給900円」と呟いていた。


yokomura 8 page of チャック
チャックはあまりにも勢いよく下がってしまった。もう元に戻すことすらできない。女性は腹をかかえて笑っている。バグの直し方を教えて欲しいが、こんな姿では説得力がない。俺は心の中で祈った。
「チャックよ静まれ。チャックよチャックよチャックよ・・・チャックよ!」
すると、なつかしい音楽が頭の中を流れた。チャックベリーの「Johnny B Goode」だった。
yokomura 6 page of チャック
「ヒィィイイイイイ!」

いつもの叫びだ。もう慣れた。みんな慣れた。慣れてしまったことが恥ずかしいがそうでもないともうやってられん。誰かが何かを叫ぶのは日常なのだ。俺もまたしかり。

「味噌汁が味噌スープになっちまったぁ!」
「俺のわ俺のわコンソメスープがコンソメ汁になっちまったぁ!」

いつもの二人か。なんとか落ち着けよう。
drumachaki prologue of はじめまして、俺たち今日も元気です
その男とは初め、軽く会釈をする程度だった。
「あ、どうも・・・」と少し恥ずかしさがあったが「おう!一緒に住んでるあの子と仲よさそうじゃん!うらましいっつーの」と言う彼のおおらかな様子に励まされることもあった。

時々彼の部屋から友人と楽しく会話をする声が、暗い廊下を照らす部屋の仄かな漏れ出る明かりと共に私の耳に入ってきた。もちろん、私以外に友人がいるのは当然だろう。その輪の中に入りたいとも特に思わなかった。

「104号室の方、にぎやかね」と共に住んでいる彼女は言った。
「ああ、学生なのかな。すごく元気だよね」
「そうね。でも、昼間もすごく楽しそうにお友達の方とさわいでるようね」
「へぇ、それは知らなかった。学生さんなんだろうね。気になる?」
「いいえ、楽しそうにされてる方達がいると、私もなんだかうれしいわ」
彼女はそうやって優しい笑みを向けながら話してくれた。やはり彼女との何気ない会話は、自分にとって最も安らぐ時間だと思わせてくれる。彼女の花のようなやわらかな匂いが深い眠りを誘い込み、私はそのまま眠りについた。


雨もぱらつく次の日、仕事もなく、家でごろごろしていた。彼女は買い物ついでの用事で帰るのは遅くなるようだ。なんとなく手持ち無沙汰で床に転がる本や雑誌をパラパラとめくっているとドアをノックする音が聞こえた。

「104号室のもんだけど、ちょいといいか?」
「あ、はいはい。どうぞどうぞ」
こんなときの何気ない来客はうれしいものだと思いドアを開けると彼が神妙な顔つきで目の前に立っていて、突然こう切り出した。

「いやな、昨日はすまん。つい羽目をはずしちまって」
「いえ、いいんですよ。アパート内がにぎやかになっていいと思います」
「ああ、それと今朝は花、ありがとうございますね。私みたいなやつには似合いませんがね。うっはっは」
「え、花?」
drumachaki 4 page of もう一度
時間はまだ昼頃のはずだが、窓の埃は人間の存在をただ一人しか許さないかのようにいっさいの光を遮断している。漆黒の闇が光と音を全て吸収してしまったのだろうか、体から発せられる心臓の音、呼吸音だけが骨を振動させ耳に届いているようだ。そうした中、205号室へ向かう焦りと期待とが入り混じる気持ちは、この静寂に対する1つの反抗のようにも受け止められるかもしれない。

2階に上がると二手に分かれ、右奥の角部屋が205号室となっている部屋へ向かった。ドアの前に立つと張り紙が目に付いた。所々に染みがついたメモ用紙に、まだ筆跡に若々しい成長が感じられる文字でこう書かれていた。
<おかえりなさい。このドアの先に、7年前の私がいます>
心臓が大きく1回、ググと拍動した。
ドアからメモを剥がすと何かを思い出すかのようにそっと指先でその文字をなでた。まるで文字を書いた本人の体温が直に感じられるかのようだったが、同時に、深い悲しみに襲われるようでもあった。

「・・・どうしてもここに来たかった。また会えると思ったんだよ」

そっとドアに3度ノックをした。トン、トン、トンと静かな音が廊下に響き渡ったが、暗闇が素早く広がる音を一瞬で飲み込んでしまったのか、すぐに元の静寂に戻った。

ドアノブに手を伸ばす。鍵はかかっていないようだ。静かに目を閉じ、ゆっくりとドアを引いた。


部屋は1Kであろうか。シンプルな作りであり、アパートの内装と比べつい今しがたまで、誰かがこの部屋で生活をしていたような感覚がした。家具らしいものはなく、部屋の隅に椅子と小さな机だけが置いてあった。

「会いに来たよ。7年前と全く変わってないね。もう住めなくなったみたいだけど、それも当然かな。あの時、ここに残されたのは私1人だったんだからね」

椅子に座り、1つため息をつくと、今日から丁度7年前のことを思い出した。
drumachaki 2 page of もう一度

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