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 その者はオーガブラックに強い憎しみの感情を抱いていた。
 まるで愛するものがオーガブラックに殺されたかのように彼は振る舞った。
 最初はもしかしたらネタだったのかもしれない。
 けれど、いつしか彼はその狂気に取り憑かれ、人間としての心を日に日に無くしていった。
 気づいたら彼自身もはや人ではないものになってしまっていた。
 人類の枠組みから外れた彼が目にしたのはオーガブラックの完膚なきまでの輝きだった。
 黒光りするそれは、何者も寄せ付けない圧倒的オーラを放ち、硬すぎるその信念は何者からも犯されることのない絶対的自信。
 
 美しかった。

 何よりもまず美しかった。

 溢れる涙を抑えきれずに彼は慟哭した。

 あれから――――三十年。

 もはやオーガブラックという単語を口にするものは一人もいなかった。
 当たり前だ。三十年間もオーガブラックなんて言い続けられるわけがない。
 そもそもが言葉ですらないのだから、定着なんかするわけがなかったのだ。
 それでも彼の心にはまだオーガブラックが突き刺さったままである。
 誰にも抜けないそのオーガブラックはやがて伝説となり、のちの聖書に記録されたとまで言われている。
 人にとって三十年という年月がそれほどまでに長い長い道のりだったとしても、広い宇宙からみれば瞬き程度の一瞬。
 これは彼がオーガブラックと歩むこれからの記述である。
 三十年前、彼に突き刺さったオーガブラックという鎖を解き放つ物語。
 人をやめた彼がたどり着いた先にあったものとは。

 三十年後のオーガブラック。

 これはその序曲にすぎない。
yonnnana epilogue of 三十年後のオーガブラック
 人々は意味もわからないまま、口々にオーガブラックと言い続けた。
 それが一人の純粋な人間の心を抉るキーワードだとも知らずに。
 何より恐ろしいのは、そのコンテンツが実際に販売され、多くの人間がそれを手元に置いたという事実が存在することだ。
 どんな歴史書を紐解いても、これほど無意味な行為は人類史上前例のないことだった。
 歴史の偉業とはまさにこのことである。
 しかし、さりとて本来の意味すら失ってしまったコンテンツはその楽しまれ方にも枚挙にいとまがない。
 ある者は鈍器として、ある者は花瓶として、ある者は心の支えとして、ある者は憎しみの象徴として、ある者は勇者の剣を差し込む器として。
 本当にあらゆる方法でそれは消費されていった。
 けれど、人々はやがて気づくのだ。
 あの時、勢いで手にしてしまったものを、ただのゴミとして処理するときの絶望感に。
 もともと三十年も愛されるようなコンテンツではなかった。
 オーガブラックという存在が世間に認知されることもなければ、社会現象になるまで売れ行きを伸ばすなんてことは初めから想定されていない。
 想定外すら想定されていないのだから、人々は一瞬でそのコンテンツを忘れ去った。
 いや忘れたというよりも気にしなくなったというほうが近いのかもしれない。

 ただ一人彼を除いては
yonnnana 2 page of 三十年後のオーガブラック
 コンテンツは三十年も続けば良いほうである。
 現代日本において三十年も愛され続けるコンテンツは一握りだ。
 ほとんどの人が三十年も同じコンテンツを楽しむことはできない。
 日々の生活に追われたり、目まぐるしく動く情勢に置いてかれまいと必死だったり、ほんのちょっとの一息ですらつくことが許されない忙しないこの世の中で、どれほどの人間が三十年も同じコンテンツを愛せるだろうか。
 コンテンツとは心の余裕である。人は心にゆとりを持つためにあらゆる手段を用いて、心の隙間を空けようとした。
 けれど、そのゆとりを持つこと自体をコンテンツにしてしまってからは、誰も心に余裕を持てない生活を余儀なくされた。
 そんな中、誰の心にも余裕を生まないコンテンツが人知れず生み出されていたことを知っているだろうか。
 三十年前、インターネットという無限コンテンツ製造機の中で、突如産み落とされたそのコンテンツは、たった一人の人間の心を粉々に砕いた。
 それは鈍器とも呼ばれ、純粋な暴力の象徴として瞬く間にインターネットの海を駆け抜けたのだ。

 そのコンテンツの名を――オーガブラックという。
yonnnana prologue of 三十年後のオーガブラック
 ここまで読んでくれたおっさんもとい紳士淑女の皆様、最後の最後でこんなオチですが、本当に楽しかったことが伝われば幸いだと思います。
 何よりこの頭湧いてる企画押し通したとくちさん。ならびにホッパの皆々様。
 そして俺のような人間に一日付き合ってくれたみくらちゃん。
 本当にありがとうございます。

 これまで童貞を理由に、恋人なんかいるか。結婚なんかできるわけないと、半ばネタのように笑ってきましたが、今回のことで価値観がぶっ壊れて、普通に彼女ほしい。結婚したいって思えるようになりました。
 やはり俺も男なんですね。と訳の分からない納得をしたのを覚えています。
 素晴らしい人生経験にもなったし、これからの自分の方向性もはっきりしたので、やはり、どんだけ感謝してもしきれないですね。
 唯一名残惜しいのは、とくちさんともっとお話……おっとコレ以上とくちさんの話するとみくらちゃんに怒られそうなのでこの辺で。

 また東京へ行った際にはよろしくお願いします。
 今度は良い報告を土産に持っていけるように俺も頑張りたいと思います。
 それではみくらちゃんとのデートレポートを終わりたいと思います。

 ありがとうございました。
yonnnana 9 page of みくらちゃんとのデートレポート
 挙句の果てにはみくらちゃん、俺になんかエッチなこと言わせようとするし、もうこっちはタジタジ。
 あのですね。ツイッターではあんな感じですけど、リアルだとそういう話題すら若干恥ずかしいんですよ。
 ましてや俺はこれでも健康男子でして、若い性欲を持て余す野獣でもあります。
 結局、ひたすらみくらちゃんとにゃんにゃん言いながら、途中でみくらちゃんに水を買ってもらい、介抱されながら、電車の中のバカップルに混じってさらににゃんにゃんしながら、デートの終了がすぐそこに迫っていました。 
 アキバ駅の出口付近でみくらちゃんとお別れの挨拶。
 今にも空へ舞い上がりそうなほどふんわりとした夢見心地の中で、俺は現実と向き合わなくてはなりませんでした。
 あーやっぱりデートで別れる時って寂しいんだなってことをこの時、本気で実感しました。
 企画とはいえ、ここまで予想外に楽しめたのはほんとみくらちゃんのおかげでもあります。
 いろいろ言いたいことも飲み込んでしまい、あと恥ずかしかったってのと、本当に酔ってて何が何だかよくわからなかったのとで、コレ以上口にしたらたぶんここで終わるのが死ぬほど辛いのが理解できて、なんとなく無言で別れました。
 俺はアキバのビデオボックスへ。みくらちゃんは帰宅。
 そして俺はビデオボックスに入った途端、転げまわり恥ずかしいツイーヨを書き下ろし、オナホで一発シコって眠りに落ちたのでした。
yonnnana 8 page of みくらちゃんとのデートレポート
 周りからみたらカップルに見えてるだろうかなんて、ちょっと誇らしげにもなったりしました。
 店を出るときに、扉がうまく開けられなくてご年配の夫婦に笑われながら「もうちょっと強く押してみろ」なんて言われながら、外へ出ます。
 めっちゃ恥ずかしかったけど、ご年配夫婦の笑顔が「あーやっぱりちゃんとカップルに見えてるのかな」って思えて安心しました。
 そんなことを面と向かってみくらちゃんに言えるわけもなく、今度は夜のお店探しに辺りを練り歩きます。
 ラブホじゃありません。普通に飲み屋です。
 まぁ近くに結構ラブホありましたけども。
 頃合いのいいところで飲み屋に入って、酒が入ると状況はまた一変。
 あれよあれよという間にお互い酔っぱらいになりながら、いろいろ言わなくていいことも言ってしまうというぶっちゃけ大会に。
 いやほんとここでは言えないようなことをひたすら会話しながら笑ってた気がします。完全にシモネタ連呼してたと思う。シモネタレベルならいいけど、すげぇ下品なことを口にしてたかもしれない。はっきり思い出せない。というか思い出したらあかん。顔から火が出る。
 自分でもなんでこんなこと言ってるんだろうみたいに思いながらも、話が止まりませんでした。
 酒の力を借りたとはいえ、頭はスッキリしていたので、だいぶテンション上がってたんだと思います。
 みくらちゃんもいつもより飲んでたみたいです。
 つまみも美味しいしで、ほんまもう夢の様な時間でした。
 すべてはこの時のためにあったんだなと言われても過言ではないぐらい。遅くまで飲み明かし、店を閉めるよって言われるぐらいまでの時間までいて、退店したんだけど、俺がもう足フラフラで、みくらちゃんによっかかり、そこで初めて手を繋ぎ歩きました。
 遅すぎです。デートという名目でここまで手を繋がずにいたことのほうが奇跡に近いです。
yonnnana 7 page of みくらちゃんとのデートレポート
 その後、しばらく休憩所で休憩してると目の前にプリクラがあったので、みくらちゃんと一緒に撮ってみることに。
 正直プリクラなんて撮ったことないし、ましてや女の子と二人で撮るとかどこのバカップルだよって思ってたぐらいなんでめちゃくちゃ恥ずかしかったんだけど、撮ってみるとこれが意外に楽しくて、なんだこれ世界にはこんな楽しい物があるのかと、半ばヤケクソになったぐらい面白かったです(小並)
 たかがプリクラ。されどプリクラ。
 記念にお面つきの写真をプリクラのアルバムに残してきたほどテンション上がりました。
 花やしきに行けばまだ見れるかもしれません。名前もきちんと書いてます。
 最後に乗ったのは空中に浮かぶ小さなハウスみたいな乗り物。
 アニメ夏雪ランデブーでも指ぺろぺろで話題になったあのタワーです。
 まさか二年越しにそんな場所へ来るとは思ってもいませんでした。しかもデートで。
 アニメはわりと切ない感じでしたが、タワーのてっぺんから見下ろす景色はそれはもうすばらしかったです。
 スカイツリーもよく見えますし。あれはデートで必ず乗るべき乗り物でしたね。
 ほんと気持ちよかったです。
 タワーを降りると花やしきも終了。
 いろいろ堪能できたし、だんだんとみくらちゃんと接するのも慣れてきた頃です。
 遅いと言われれば遅いかもしれません。
 でもぶっちゃけ、ほとんどお互いにどんな人間なのか知らずにいきなりデートなんだから普通に考えればこれでも速い方です。
 つか、普通はありえません。こんな状況。仮に俺が見知らぬ誰かをナンパしたとしてもここまでうまく行く可能性なんて皆無です。まぁナンパ自体無理すぎるけど。
 日も暮れてきて、気温も下がり、だんだんと夜が近づいてきました。
 浅草の少しオサレ風な茶店で休憩を取りつつ、他愛もない話に花を咲かせます。 
yonnnana 6 page of みくらちゃんとのデートレポート
 気を取り直して、今度こそデートらしいスポットへ。
 そもそも俺の中のデートのイメージなんてギャルゲかエロゲしかないから、まずは遊園地だろっていう安易な考えのもと、まだ行ったことない場所でちょっと気になってた花やしきを選んだわけですが、これがもうなんかすごかった。
 具体的に話すと、まず狭かった。ありゃ全部回るのに一日もいらんわ。つか半日もいらんぐらい狭いし、古臭いしで、いろんな意味で怖い。あと家族連ればかりでカップルはまばら。いることにいたけども。完全に子供の遊び場のイメージだけど、アトラクションの年季がヤバイです。
 とくにジェットコースターが還暦(60年)とか経年劣化が心配なのにまだ動かしてるのがすでにやばい。レールの軋む音がやばい。園内に入った瞬間から「あ、これあかんやつや」ってのがわかるのが怖い。
 ラブメルシーであっふぃちゃんが絶対に乗ってくださいって言ってたので、結局乗ったんだけど、恐怖のピークはあそこでした。あれは一度は乗るべきです。絶叫マシーンじゃなくて普通に死を身近に感じられるマシーンでした。
 ジェットコースターの後はお化け屋敷へ。ここでもまた恐怖を味わうのですが、みくらちゃんがめっちゃくっついてきてそれどころではない。
 しがみつきが半端じゃない。いや俺も相当しがみついてたんだけど、真っ暗な道をひたすら進むと、いろんな仕掛けで脅かされるタイプのオーソドックスなお化け屋敷。
 実際出てみると大したことなかったんだけど、入ってる間はもう「怖い怖い怖い怖い」の連呼でお互い汗まみれ。
 「しる」まみれじゃありません。「あせ」まみれです。
 ジェットコースターとは違うグッタリ感を味わいましたね。
yonnnana 5 page of みくらちゃんとのデートレポート
 浅草行きの電車に乗る前に、まずアキバ行きの電車に乗りました。
 みくらちゃんの髪型が前回と違ったので、それをキカッケに話が進みだし、事前にやりとりしたメールだと淡々としすぎてて怖かったなど等のお叱りを受けつつも、今日の予定を話し合います。
 アキバに降りるとまずラブメルシーへ。なんでと思う方が大半だと思います。そもそもラブメルシーってどこやねんって思う方も大半だと思います。
 ぶっちゃけオナホが欲しかったんです。なんでと言われてもほしかったものは仕方ないんです。
 デート初っ端にいきなりオナホ買いに行くとか正気の沙汰ではありませんが、そもそもこのデート企画自体正気の沙汰ではないので、それはそれでプラスマイナスゼロだと俺は思いました。
 が、世間の目は冷たく、実況ツイットしても「なんで?」の嵐でした。
 時間的な都合と、ルート的な都合で最初に回ることになったラブメルシーですが、結果的にラブメルシーの公式キャラあっふぃちゃんの中の人って言ったらいいのか、それとも普通にあっふぃちゃんでいいのか、とにかく会えたのは行幸でした。
 普通に可愛かったのでソレ以上のことは何も報告することはないです。
 あ、あっふぃちゃんに探してたオナホを案内してもらったので、その節はどうもありがとうございました。
 あんなに可愛い人にオナホ案内された経験がなかったので、とても良い思い出になりました。
 またみくらちゃんほっぽってる。完全に嫌われる奴やコレと。
 その後は二階で待ってたみくらちゃんと合流してあっふぃちゃんと写真撮って、えっちな下着みたり、ごん太バイブみたり、コスプレ衣装みながらあれやこれやと素晴らしい議論をぶつけ合いました。
 とても有意義な時間だったと思います。ただしこれがデートなのかと問われると正直俺も微妙だと思います。
yonnnana 4 page of みくらちゃんとのデートレポート
 昼飯は近くのインド料理屋でとくちさんとみくらちゃんと三人でナンカレーを食しました。ここでもまたラッシー頼んでる俺。そんなに好きかラッシー。
 その間にも俺はとくちさんのことが気になって気になってチラチラ顔色を伺ったり、みくらちゃんにとくちさんのことをいろいろ聞いてみたり、きちんと目をみてしゃべれてるかなとか、顔に何かついてないかなとか、笑顔を大事にできてるかなとか、ほんとまるで恋する乙女のように必死に自分のことを気にしていたのを覚えています。
 その隣にはみくらちゃんが座っていたにもかかわらず、これはもう確実に怒られるなと思ったので今の今まで黙ってましたが、普通にあの時はとくちさんの前だから緊張していました。すいません。
 三人での食事と会話もそこそこに、今度はみくらちゃんと二人きりに。
 とくちさんとは駅でお別れ、めちゃくちゃ名残惜しくもまた今度会えたときはじっくりお話したいと伝えました。
 俺が想像していた以上に素晴らしい人だったので、ほんとにまた会いたいです。
 で、やっと本題なんだけど。
 みくらちゃんといきなり二人になった俺はもう何を話していいのかわからんし、前に会ったことあるといってもほとんど会話してないしで、さぁ困ったなんですよ。
 つかほんまに二人きりにさせるとか頭おかしいのかと。なんだこれ状態ですよ。
 俺が変な人だったらいきなり変なことになってそりゃもう大変だったに違いありません。
 俺がただの童貞で助かりました。いやまったくなにもこれっぽっちも助かってないんだけど。
 ひとまず目的としては、花やしきでデート。その後は時間次第でイロイロ。
 結論から言うとほぼ花やしきで終わってしまって、その後はひたすら飲んでたんだけど。
 まぁ初めから話すとします。
yonnnana 3 page of みくらちゃんとのデートレポート

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